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GA4とUAは全くの別ツールだった?2つの違いを分かりやすく解説

カテゴリー: ツール

Ryutaro

           最終更新日: 2022.07.25

カテゴリー: ツール

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2020年10月にGA4(Googleアナリティクス4)がローンチされましたね。旧バージョンのUA(ユニバーサルアナリティクス)を利用していた方にとっては、管理画面のUIが変わりすぎて戸惑った方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はGA4とUAがなぜこんなにも違う仕様になったのか、また具体的にできるようになったこととできなくなったことの違いは何かについて解説していきます。

GA4とUA(旧Ver)は全くの別ツール?

GA4とUAではまずサイドバーから違いますよね。特に大きく変わったのはレポートの部分です。

analytics-sidebar

UAのレポートはリアルタイム・ユーザー・集客・行動・コンバージョンという5項目のみでしたが、GA4では左端にアイコンが増え、その中にレポートのスナップショット・リアルタイム・ユーザー・ライフサイクルという項目に変化しました。

ua-ga4-lifecycle

さらにライフサイクルの内部と照らし合わせると、集客は集客、行動とコンバージョンはエンゲージメント、そして新しく収益化と維持率という項目が追加されています。(コンバージョンの一部は収益化に入っています)

とはいえレポートの表示のされ方も変わり、どこをどう見てよいか分からなくなったという方も多いのではないでしょうか?

ここまでUIが一新した理由、それはGA4とUAが目的の違う全くの別ツールになったからです。

なぜここまで変わったのか、UAとGA4が出来た経緯とともに解説していきます。

UAは検索連動型広告を最適化するためのツール

そもそもGA4以前のアナリティクスであるUAはGoogleの検索連動型広告を最適化するためのツールだったということをご存じでしょうか?

検索連動型広告(よくリスティングと言われている)は顕在層の刈り取りがしやすく、費用対効果が高いということもあり、ひと昔前のWEB広告業界では主流の時代でした。

search-apparent needs

(SEOも顕在層に向けたものであるため、UAは検索系全てを最適化するといっても良いですね)

Googleとしてもそんな、主流であり収入源の大半を占めていた検索連動型広告をもっと効果的に利用してもらうため、「顕在層の分析に長けたツール」であるUAをリリースし、日々改良を加えてきました。

もちろん今でも検索連動型広告は主流の媒体です。しかし最近は広告出稿者が増えたことや限定的な配信面であること、また検索ボリューム数には上限があることによって効果が頭打ちになってきました。

GA4は認知・ブランディング広告を最適化するためのツール

そこでGoogleは売上拡大のために認知・ブランディング施策に強いディスプレイ広告に注力を始めます。

sales-expansion

ディスプレイ広告はYoutubeの動画やSEOの記事などコンテンツが増えるたびに配信面も増えていくため、広告費用を伸ばすにはもってこいの媒体なのです。

しかしディスプレイ広告に代表される認知・ブランディング施策は費用対効果が見えづらく、中小企業にとっては費用対効果が分かる新規顧客獲得寄りの広告に比べて手が出しづらいものでした。

というのも最近はYoutube・Instagram・ディスプレイ広告などたくさんの媒体から商品を知る機会が増え、色んなアプリやサイトをまたいで商品について調べ購入に至るなど、ユーザーの経路は多岐に渡るようになりましたよね。

<ユーザーの経路例>

user-path

それに加え認知・ブランディング広告は新規顧客を獲得をする目的で配信されていないため、ユーザーのほとんどは別のアプリやサイトに飛んでしまいます。

しかしUAでは、異なるデバイス・アプリ・サイトをまたいでしまうと別のユーザーのセッションとして認識してしまうため、詳細なユーザーの情報が計測できません。

そのため認知・ブランディング広告を配信しても、その結果ちゃんと獲得できているのかが分からず、手が出しづらいのです。

さらにiTP問題によりCookieの保管期間が減り、より一層正確なデータが集められなくなるなど今の時代に合わなくなってきたという問題もあります。

そこでGoogleは今の時代に合うように、そしてディスプレイ広告の利用を増やしてもらうためにGoogleアナリティクスを改良する必要がありました。

アナリティクスを使う私たちにとっても、自社のアプリ・サイトを訪れるユーザーがどのような行動をしているのか一連の流れで知ることができたら便利になりますよね。

このような経緯からGoogleはユーザーが様々なデバイス・サイト・アプリをどのようにまたいで購入に至りリピート購入したか、つまり「一人のユーザーのライフサイクル」を分析できるようにGA4という形でツールを一新したのです。

GA4とUAにおける重要な分析の考え方

GA4では一人のユーザーのライフサイクルを分析できるため、「どの経路を通ったユーザーのLTVが高くなるか」を調べることができます。

ここに潜在層や顕在層といった概念はありません。GA4はユーザー全体の中でLTVが高いユーザーを見つけることができるのです。

対してUAではどのキーワードからの流入がCVRを高められるかなど、主に顕在層の刈り取りのための分析をします。

これを表したのが下図です。

ga4-ua-differences

このように、GA4はユーザー層を縦に切った分析、UAはユーザー層を横に切った分析ということですね。

GA4とUAではデータの計測方法が違う

そして今の時代に沿ったライフサイクル分析を実現するためにはデータの計測方法の大幅な変更が必要でした。

元々旧バージョンのUAは「1ページ単位でどのくらいのセッション・直帰率・購入数だったか」というページを基準にした計測です。

対してGA4では、「ユーザーがどのデバイス・サイト・アプリでどんなイベント(ページビュー・スクロール・購入など)を起こしたか」というユーザーを基準にした計測になりました。

ページを基準とした計測方法ではなくなったことで、UAでは重要な指標であった直帰率や離脱率はGA4ではデフォルトで無くなったのですね。

ただデフォルトで無くなったというだけで、カスタムで設定すれば見ることは可能です。

GA4とUAの使い分けはどうするか

実はGA4とUAは両方併用することができます。では2つの使い分けはどのようにすればよいのでしょうか?

UAにはUAの、GA4にはGA4の良さがあります。それぞれの良さを踏まえながら使い分けるのが無難でしょう。

GA4はLTVを増加させるために使う

GA4は全ユーザーの中で顕在層潜在層関係なく自社に合ったユーザーを見つけ出し、認知からリピートまでを分析、さらに機械学習までしてくれるのが強みです。

異なるデバイス・サイト・アプリをまたいでも同一のユーザーとして計測ができるため、「この媒体は単体で見ればCPAが上振れているけど、この広告を見た人のほとんどがリスティングとリタゲで刈り取れて全体でCPAが合うから、広告は止めない方が良い」など広告媒体選定がしやすくなります

さらにEコマースの設定ができれば、7日以内に購入・離脱してくれるユーザーを機械学習で予測してくれるので、オーディエンスリストを作成し広告配信に役立てることも可能です。

UAは顕在層を刈り取るために使う

UAは顕在層にいるユーザーの刈り取りが強みです。

サーチコンソールとの連携ができるためCVRが高いキーワードの選定がすぐにできますし、どのランディングページからの購入が高いかもすぐに分かります。

このような顕在層・ランディングページの分析の際はUAに使い慣れている方が多いのでUAをそのまま使うと良いでしょう。

 

ここまでGA4・UA、2つの使い分けを解説しましたが、もしかしたらまだGA4の導入に踏み切れないという企業様もいらっしゃるかもしれません。

しかしiTPに対応したGA4の改良が進むことを考えると、これからはどんどんGA4の方がデータに正確性が増していくでしょう。

また、今後はUAのサポートが終了し使えなくなることも考えられるので、今のうちから導入しデータを溜めておくことをおすすめします。

その他、GA4で「できなくなったこと」

GA4では大幅な仕様変更があったため、UAでは出来たがGA4では出来なくなったことがいくつかあるのです。ここでは特に影響が大きい出来なくなったことを3つご紹介します。

ビューによる集計

UAのアカウント構造は、アカウント>プロパティ>ビューとなっていましたが、GA4ではアカウント>プロパティまでとなり、ビューという概念がなくなりました

つまりビューによるフィルタリングができなくなりましたが、その代わりデータストリームが追加され、データストリームで様々な設定を行うことができます。

補足として内部アクセスやクローラーの除外はデフォルトで設定できるように機能が追加されたため、そちらで行いましょう。

Google Search Consoleとの連携

UAではGoogle Search Consoleとの連携ができましたが、今のところGA4では連携ができません

そのためSEOでのキーワード選定をする場合はUAを使いましょう。

AMP(Accelerated Mobile Pages)の計測

モバイルページの高速表示を可能にするAMPですが、GA4はまだAMPに対応していません。つまりAMPページの計測ができないのです。

今後サポートされる可能性はありますが、今AMPページに対応したサイトの計測するのであればUAを利用しましょう。

GA4の勉強方法

GA4のリリースから1年が経ち記事も大分増えてきました。しかしアナリティクス初心者の方にとってはどんなことを知ればしっかり分析できるようになるのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

そこでご紹介したいのが、2021年9月に株式会社インプレスさんから発売された「1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本」です。

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こちらはGA4の基礎知識から設定方法、簡単なレポートの出し方から独自イベントの設定方法まだ幅広く7日間で学べる内容になっています。

もしGA4に関してもっと情報を知りたいという方は是非読んでみてください。

この記事を書いた人

Ryutaro

WEBコンサルティング事業部でリスティング広告を含めたアド全般の運用をしています。最近はChatGPTにハマってます。

     

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