BLOG > 通販>【商品開発で悩んでいる人必見!】2022年最新版 D2Cで売れる商品の作り方
こんにちは!
これまで50社以上の通販会社様とお仕事をしてきました、株式会社Hide&Seekでコンサルティングをしている澤藤です!
最近D2C業界がさらに盛り上がってきていますよね。
そんな中、「どうにかして売れる商品を生み出していきたいけどやり方がわからない・・・。」「そもそも「商品開発」ってどんな考え方をしなければならないの?」
そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて、D2Cで「売れる商品」を作るためのポイントを詳しく解説していこうと思います。
弊社は実際に健食・化粧品系の通販会社も4社ほど運営しており、月商数億円規模のヒット商品をいくつも世に送り出してきた実績があります。
そこで培った経験とノウハウが少しでもこれから商品開発をしていく方のヒントとなれば嬉しいです!
記事の前半では、「商品開発の考え方と流れ」について。記事の後半では、「商品開発をする時におさえるべきポイント」について解説していきますので、じっくり読み込んでくださいね!
1. 商品開発の考え方と流れ
市場のファーストペンギンにはならない
ファーストペンギンという言葉をご存じでしょうか?
ファーストペンギンとは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛び込むペンギンのことです。
そこから転じて、このペンギンのようにリスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主のことを「ファーストペンギン」と呼んでいます。
ファーストペンギンの事例を1つ挙げると、世界で初めてミドリムシの大量培養技術を確立させたユーグレナさん。
ユーグレナさんは試行錯誤しながら、ミドリムシを使ったヘルスケア商品、ビューティーケア商品など世の中に新しい市場を作り出しました。
もちろんこうした企業もD2C業界には多く存在しますが一握りです。よほど革新的な独自技術があったり、誰も思いつかないようなアイデアがあったりでないとなかなかリスクを取って新しい市場を作り出すことはハードルが高いです。
ではどうするか?
それが「ファーストペンギンにはならない」戦略です。
つまり、既に先人が作り出してくれた市場でいかに戦うかということです。
既に市場があるということは、そこに需要があるということがわかっている状態です。
そこで競合とは戦う軸を「ズラす」ことによって市場を取りに行くというのが基本的な考え方になります。
しかしそうはいっても、既にある市場は競争が激しいという場合もあると思います。
そんな時は市場をさらに細分化してみてください。
例えば「シャンプー」の市場は競争が激しいと言っても「炭酸シャンプー」や「白髪染めシャンプー」はどうか?
そこで仮に「白髪染めシャンプー」が市場的に良さそうだとなった場合、既に売り出している競合の商品や売り方を見てみて、どこをどう変えれば勝てそうか?
このように「既にある市場でいかに戦えるか?」という視点で考えていくと売れる商品がだんだんと見えてきます。
商品開発の流れ
上記の基本的な考え方を念頭におきながら、以下の流れで商品開発を進めていきます。
①情報収集
広告代理店など様々な商材の市場動向に詳しいところとディスカッションをして、全体的な市場トレンドや売れている商材などの情報収集を行います。
これを通してざっくりと戦っていく市場のジャンルを見定めていきます。
②競合調査
この競合調査が商品開発における一番肝心なところと言えるでしょう。
詳しくは後述しますが、最低でも5社はベンチマークとなる競合の調査を様々な観点で分析していきます。
③市場調査
一般消費者に対してアンケート調査を行います。
調査を通して、どういった人がどんな悩みやニーズを持っているか?それに対して既存のソリューションではなぜ対処できないのか?を明確にしていきます。
④商品の特徴や訴求を決める
これまでの情報収集・調査の結果から、自社の商品の強みとなる特徴や売る時の訴求を決めます。
⑤OEM工場にサンプル作成を依頼する
いくつかのOEM工場にベンチマークとなる競合の商品を送り、それを基盤に使用感や成分、テクスチャーなどの要素を上記で決めた自社商品の特徴や訴求に合わせる形で少しズラして作ってもらうように依頼します。
出来上がったサンプルをペルソナに試してもらい改良を重ね、完成品に近づけていきます。
改良のやり取りのリードタイムが長いので、この間に下記⑥〜⑦を進めます。
⑥ペルソナとブランドコンセプトを決める
市場調査を通して浮かび上がってきた自社がターゲットとするペルソナとそのペルソナに届けたいブランドコンセプトを決めていきます。
ここも非常に重要で、ニーズやペルソナ、悩みをいかに深掘りできるかが長く愛されるブランドになれるかどうかを大きく左右します。
ここで商品のパッケージデザインも決められると良いです。
⑦財務シミュレーションを作成する
財務シミュレーションを作成し、2年以内を目安にキャッシュフローが黒字化するよう価格などの設定を行います。
以上、ざっくりとこのような流れで2〜3ヶ月を目安に商品を確定します。
商品開発をする時におさえるべきポイント
最初に結論!売れる商品は「競合調査の質」×「売り出しまでのスピード」で決まる!
ずばり売れる商品を作れるかどうかは、「競合調査の質」と「売り出しまでのスピード」、この2つの要素の掛け算によって決まります。
いかに競合よりも売るための、自社の強みとなるポイントを見つけることができるか、そして自社の商品をいかに速く市場に売り出すことができるかが重要になってきます。
それぞれの要素を詳しく解説していきます。
競合調査の質
皆さんは競合を調査する時、どれくらい細かい粒度、どれくらい多角的な観点で見ていますでしょうか?
既にある市場で戦う以上、競合調査の質を高めることがそのまま自社の新商品の武器を磨くことに繋がります。
とはいっても、まずはベンチマークとなる競合を見つける必要があります。ベンチマークとなる競合とは、ターゲットとしているジャンルの市場で新規の獲得を伸ばしていて参入した時に最大のライバルとなり得るところになります。
もちろん既に広告代理店などからの情報収集でベンチマークを見つけている場合もありますが、情報がなかなか取れない場合はAmazonランキングも非常に参考になります。
あくまで目安値ですが、Amazonのビューティーカテゴリーのランキングから自社でのおおよその新規件数を予測することができます。
ランキング | デイリー獲得件数予測 |
500位 | 300〜500件 |
1,000位 | 200件 |
3,000位 | 100件 |
10,000位 | 10〜20件 |
競合調査で必ずチェックすべき3つのポイント
ベンチマークが決まったら、いよいよ調査を行います。
とはいってもD2Cの競合調査は見るべきところが非常に多いので、今回はその中でも必ずチェックすべきポイントを3つ簡単にご紹介します。
①ディスプレイ広告・LP
<ディスプレイ広告>
ベンチマークとなるD2Cの競合は必ずと言っていいほどディスプレイ広告も配信しています。
②SNS
最近ではInstagramやTiktok、Twitter、YoutubeなどのSNSマーケティングはほとんどのD2Cブランドが活用しています。
SNSにおいて主に見るべきポイントは2つあります。
インフルエンサーをどのように活用しているか?
インフルエンサーを使ったアフィリエイトやPRなど、競合がどれくらい力を入れているかを見ることで自社の戦略も明確になってきます。
もしも競合がしていない場合は自社はこの戦略を取っていくことで競合よりもSNS上での認知や獲得を伸ばす方向で進めようということも考えられます。
逆に競合が既に取り組んでいたとしても、自社の戦略とシミュレーションから競合よりもインフルエンサーに渡せる報酬を高くすることができると予想できるなら勝機を見出すこともできます。
Instagramの口コミの数はどれくらいあるか?
おおよそ1000件を目安に、ベンチマークの口コミがどれくらい入っているかを確認します。
ベンチマークの口コミが少なければ、代理店などを通して自社の口コミを増やしてInstagram上での知名度がより高いという見せ方をするなど工夫ができます。
逆にベンチマークの口コミの数が多い場合は、SNS上で戦う時の戦略をズラしていく必要が出てきます。
これ以外にもベンチマークの公式アカウントのフォロワー数など、勝機を見つけるためにチェックできるところはたくさんあるので、自社ならどのような戦略を立てられそうかということを軸にチェックしてみてください!
③CRM
実際に競合の商品を購入して、どのようなCRM施策を行っているかを検証してみるのも効果的です。
CRMはLTVを向上させるための施策なので、CRMで競合よりも差をつけることができればその分LTVも上がり、競合よりも許容CPAを高く設定することができます。
競合よりもCPAを高く設定できることで、ASPの動きもよくなったり、インフルエンサーにも依頼しやすくなったりと新規施策の幅を広げることが可能になり、それがそのまま自社の競争優位性となります。
CRMも見るポイントは膨大にあります。
例えば、同梱物の作り込みはどうか、おまとめ便への引き上げの施策はどのようにしているか、メルマガの書き方やステップメールの内容、公式LINEアカウントの活用の仕方、コールセンターの解約阻止のトークはどうか、対応は?など様々です。
1つ事例を挙げると、ファンデーションを販売している会社が他ジャンルの商材を扱う他社で、メインの商材と合わせて使う小物を一緒に送ることで継続率を向上させたという事例を参考に、パフを同梱物として入れることで継続率を改善したというエピソードもあります。
これだけでも競合他社との差別化ポイントとなります。また、この会社は独自のLINEの運用ノウハウを駆使して引き上げやクロスに注力したり、肌診断を取り入れたりと、これも競合他社ではやっていないような取り組みでLTVを伸ばしています。
このようにCRM分野でも他社の成功事例や自社の強みをベンチマークの競合と比較して勝てるポイントを探します。
競合調査においてチェックすべき基本的なポイントを3つご紹介しましたが、これらはあくまでもこれから作ろうとしている新商品で一番推していくところや、その商品の売り方の方向性を浮き彫りにするためのものです。
価格や成分などその他新商材を形作るために必要な要素は、類似の商材を販売している他の通販会社を最低4社はピックアップしてそれぞれ調査・比較することで決めていきます。
売り出しまでのスピード
D2Cの市場トレンドの移り変わりは非常に速いです。
そのため仮にこれまでお話してきたことを2年かけて準備して、さあ売り出そう!となった時に、もうその市場はなくなっていた・・・。ということも十分あり得ます。
目安として、商品開発を始めて1年以内には売り出しまでこぎつけたいものです。
このスピード感でやっていくためには商品開発だけでなく、通販事業全体の「ハンドリング力」が肝になってきます。
つまり、D2Cは商品を作ったらあとは販売するだけ!とはならず、
カートや決済、印刷や箱、ロジ、配送、コールセンターはどうするか?LPは?広告運用は?など売るまでに準備すべきところがかなりあります。
例えば、「商品をOEMに発注して納品されてからカートシステムを入れよう!」や「LPが納品されたら代理店に相談しよう!」では遅いのです。
何にどれくらいの工数がかかるのか、どこを整えないとどこが着手できないのか?
そしてこれら「売る仕組み」をどうすれば最短で構築し、他の競合が売り出す前にいかに最速で始めることができるか?
この「スピード感」とそれを実現する「ハンドリング力」もD2Cで売れる商品を作るために非常に大切な要素となります。
まとめ
ここまで説明した「売れる商品の作り方」ですが、これはあくまでも現時点での戦略の1つにすぎません。時代が進めば通用しなくなることも十分あり得ますし、現時点でもこの戦略以外でヒット商品を生み出すことは十分可能です。
ただいつの時代もどの戦略を取ろうとも変わらずに重要なのは「情報収集」を常にし続けることです。
どんな商材がどんな方法で今売れているのか?市場のトレンドは?他ジャンルでの成功事例は?など、常に情報を収集し続けることが一番です。
今回の内容が皆さんの実現したいことへのヒントに繋がれば幸いです。
この記事を書いた人
Kengo
野村證券を退職後、D2Cのコンサルタント3年目。D2CブランドのためのPR事業も展開中!
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